2009年9月27日(日)

天現寺の虎

東京都港区南麻布4-2-35

明和 3年

天現寺に狛犬風の虎がいるというので行ってみたら、お寺は工事中で、門は閉められお堂は跡形もなかった。肝心の虎くん達は、墓地への通路の脇に押しやられている。配置が変った関係で、ちょっとおもしろい絵になっている。

天保 6年

左の写真は明和三年(1766)の作。草むらに隠れて雄虎が雌虎に言い寄っている図。気のない振りをして横を向いている雌の大きなお尻としなやかな背中の線が艶めかしい。あるいは、朝帰りの弁解をしている所かも、といろいろ想像してニヤニヤしてしまった。

右は、天保六年(1834)のいなせな若衆風。「また虎五郎がかみさんに詫び入れてますぜ」「まったく懲りもせずよくやるよ」なんて噂しあっているのかも知れない。本来は左右が逆で90度横向き。顔を正面に向けて参詣者を睨みつけていたはずだ。

どちらの虎も、しばらく仕事を離れて私生活が見えちゃった、というところかな。

※ 2011年に本堂の建て替えが終わり、それぞれにもとのお役目に戻りました