2009年11月28日(土)

善福寺のイチョウ

東京都港区元麻布1-6-21

銀杏

都内最大といわれる大イチョウには、親鸞聖人が地面に刺した杖が根付いたものだという伝説がある。そんなバカなと一笑に付すこともできるが、来訪記念に植樹をしていったことを象徴的に伝えているのだとすれば説明もつく。

気根

樹齢は750年以上と推定されており、再来年の2011年は親鸞聖人の750回忌の年なのだというから、まったく無関係とも言えないかもしれない。

若い頃は杖のようにまっすぐな幹が天を突いていたのだろう。歳月を経て、方々に広げた枝からは幾条もの気根が垂れ下がり、いかにも老樹という風情になっている。太い幹には戦火に焼かれた跡が痛々しい。

それでも樹勢は旺盛で、秋になればカメラのフレームに納まりきらないほどの巨体に一杯の葉を黄金色に輝かせて私たちを楽しませてくれる。その姿には畏敬の念さえ湧いてくるほどだ。コンクリートジャングルの東京でこの眺めは奇蹟に近い、と思えば、何かしらの秘話があっても不思議ではないと思えてくる。

東京都教育委員会の説明板 | 勅使門 | 境内に建つハリスの記念碑 | 門前の柳の井戸 | 越路吹雪の碑