2010年2月4日(木)

のこぎり屋根

東京都大田区矢口3-24-1(桂川精螺製作所)

のこぎり屋根

「このお金、使えますか?」と同僚が見せてくれた硬貨は、稲穂のデザインが懐かしい昭和35年発行の100円玉だった。

「飲み屋のおつりでもらったんですけど、コーヒーショップで出したら『これは使えません』って返されたんですよ。」

夕暮れ

現在流通している桜がデザインされた100円玉が生れたのは昭和42年(1967)だ。昭和30年代後半生まれの彼でもこの100円は見たことがなかったというから、平成生まれ(と思われる)若いアルバイト店員が知るよしもなく、ゲーム機のコインか何かかと思ったのかも知れない。

そんな話を聞いたばかりだったので、多摩サイから見えるのこぎり屋根の工場が気になって写真を撮ってきた。昔は、左の写真のように連続する片流れの屋根と天窓を組み合わせて、室内にまんべんなく採光できる構造の工場があちこちにあった。今でも工場をイメージするサインにこののこぎり形を使うことがあるけれど、今の若い人に通じるのかな。

振り返って見る川崎側の工場地帯には高いビルが並び、どんなに目をこらしてものこぎり屋根を見つけることはできなかった。

※ 2018年に新社屋が竣工し、のこぎり屋根の工場はなくなってしまいました

古いものの話