志村一里塚
東京都板橋区志村1-12/小豆沢2-16
現代の里程標(キロポスト)は、たとえば高速道路ではガードレールの柱に小さなプレートがついているだけ。甲州街道などでも高さ1m足らずの柱がポツンと立っている程度だ。
それから比べると、昔の一里塚は大きかった。家一軒がはいるぐらいの敷地に土を盛り、その上に大きなエノキが植えてある。ビルがなかった昔なら、遠くからでもよく目立ったに違いない。「あそこまで歩いて木陰で一休み」を励みに、旅人たちは街道を歩いていたのだろう。
こんなに大きいのだから一つでも十分なように思うのだが、実際は道の両側に対になって設置されていたという。中山道の志村一里塚は、白山通り(日光御成道)の西ヶ原一里塚とともに、その旧態を残した数少ない一里塚の例として貴重なものだ。
江戸時代のものではないけれど、北側の塚の隣には古風な木造の二階屋が建っていてイイ雰囲気を醸している。