秋留台公園
東京都あきる野市二宮673-1
わたしは鼻が悪いので、これまでに花の香りというものをあまり楽しんだことがなかった。と言う以前に、男子たるもの花に鼻をつけて香りを愛でるなどという女々しいことはできん、という気持ちも多分にあったのは確か。こうして花の写真を撮るようになったのも最近のことだ。
花の香りを明確に意識したのは、たぶん6年前の、多摩川の関戸橋周辺に咲くニセアカシアの甘い香りに出会った時が最初ではなかったか。
そのニセアカシアと入れ替わるようにしてバラの花が咲き始めた。バラ園に行くと、香水をつけた美しい女性に囲まれているような気分になって、心が浮き立ってくる。哀しいかな、実生活では味わえない至福のひとときだ。
秋留台公園のバラ園には約80種類400本のバラが咲いている。バラ園は窪地になっていて、外縁から見ると花壇の配置が美しいのだが、どうしたわけかバラと園路の間に距離があるので、散策して近しく花を楽しむ向きにはあまりおもしろくない。香りもさることながら、「プリンセス○○」などの名札を見るのも楽しみの一つなのに、ここではそれもかなわないのが残念だ。
美女たちとは、そんなに簡単にお近づきにはなれないよ、ということかな。