小石川植物園
東京都文京区白山3-7-1
小石川植物園は、正式名称を「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」という東京大学の教育実習施設だ。その前身は、貞享元年(1684)に徳川幕府が作った「小石川御薬園」で、映画「赤ひげ」（黒澤明監督、1965）で有名な小石川養生所はここにあった。
華やかな花壇などのお楽しみは少ないけれど、長い歴史と共に大きくなった木々の間を縫って静かな森を歩くのは気持がいい。薄暗い森の中で出会った、ハッとするような白い肌の大木はシマサルスベリ。
白山台地の端に広がる森を抜けて下におりると、沼の畔に不思議な光景が現れた。ラクウショウ（落羽松）の樹の根元から、ムーミン谷のニョロニョロのような小さな突起がたくさん出ている。森の精たちが森の主である大木のまわりに寄り添って、この森の行く末について案じているような景色だ。湿地では地下で呼吸することが難しいために、こうして根の一部（気根）が地上に出てくるのだという。
木の一つ一つに名札がついているのはありがたいが、せっかくだからもう少し説明があれば良かったな。
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