旧石川組製糸西洋館
埼玉県入間市河原町13-13
国道16号沿いに建つこの西洋館は、かつて国内第6位の生糸出荷高を誇った製糸会社・石川組製糸が、取引先の海外賓客をもてなすために大正10年(1921)に迎賓館として建てたものだ。
東京帝国大学出身の室岡惣七が設計し、川越の宮大工関根平蔵が施工を担当した和風工法による西洋風木造建築になっている。今日は外観しか見ることができなかったが、年に何回か特別公開日があり、宮大工の手による内部の繊細な装飾や特注の調度品が設えられた室内を見ることができる。
本館に向かって左側に建つ平屋建の別館は、本館と同じ化粧煉瓦張の外壁に日本瓦の屋根を載せた意匠がおもしろい。右の写真では背景に紛れてしまっているが、本館をしのぐ程に高い煙突が印象的だ。
16号を挟んで向かい合うとんがり屋根の武蔵豊岡教会も、同社の寄付によって同時期に建てられたものだ。