武蔵豊岡教会
埼玉県入間市河原町8-6
「入間宮寺教会」のところで、キリスト教の布教経路について生糸貿易との関連を推測したが、西武池袋線入間市駅にほど近い武蔵豊岡教会は、石川組製糸の創業者石川幾太郎の弟・和助が中心となって創立した豊岡メソジスト教会から歴史が始まっている。
国道16号を挟んで向かい合う旧石川組製糸西洋館と対になった現在の建物は、ヴォーリズの設計によって大正12年(1923)に建てられたものだ。
この一帯には同社の製糸工場があり、この教会はそこで働く女工のために建てられたという。幾太郎は彼女たちの教育にも熱心に取り組み、いわゆる「女工哀史」とは無縁の経営を行っていたそうだ。
関東大震災や化繊の普及等により製糸業は廃れ、工場跡地は住宅に建て替わった。わずかに残る二つの洋館は、かつての栄華を懐かしんでいるかのようだ。
※ 国道の拡幅工事に伴い、2014年に曳屋で建物の場所と向きを変更の上、増改築されました
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