2011年1月4日(火)

榎本種苗店周辺

東京都豊島区西巣鴨3-19-2(東京種苗株式会社)

東京種苗株式会社

おばあちゃんの竹下通りと言われる巣鴨地蔵通商店街も賑わいは都電の庚申塚駅までで、その北側までやってくる人はほとんどいない。そのエリアに、昭和の頃から時間が止まったままのような木造の家が3軒並んで建っている。

文房具店

何百年も経った古民家というわけでもなく、特別な意匠もないけれど、絶滅危惧種であることは間違いない。右写真の文房具店の2階には、木でできたベランダの柵がちらりと写っている。窓枠もアルミサッシではないようだ。白く見えるのは、ガラス戸に障子紙を貼っているのだろうか。歯抜けになった隣家との境の、むき出しになったトタン板の壁が痛々しい。

左写真の建物には、ガラス戸に「東京種苗株式会社」と書かれていた。地蔵通商店街の入口にある真性寺の門前に建てられたJA東京グループの説明板によれば、かつて商店街のある旧中山道には、旅人が故郷への土産に江戸の野菜の種子を買って帰るためのタネ屋が軒を連ねていたのだという。その説明のなかに名前の出てくる「榎本種苗店」が、どうやらこの建物であるらしい。

タネ屋街道について