本牧市民公園
神奈川県横浜市中区本牧三之谷59
三溪園の南門を目指して産業道路を走って行くと、目の前に屏風のように連なった断崖絶壁が見えてきた。少し黄味がかったその崖を、日本に来航したペリー提督はマンダリン・ブラフ(Mandarin Bluff、橙色の断崖)と呼んだのだとか。
昭和43年(1968)に埋立てが完了するまで、本牧の海岸線はこの断崖だった。三溪園の南側に隣接する上海横浜友好園の池を海に見立てれば、当時の雰囲気を幾分かは味わうことができるだろうか。
崖の上に立つ建物は、関東大震災によって失われた松風閣を再現したものだ。今この展望台に立っても、目の前に広がるのは本牧のコンビナート群ばかり。かつて望むことができた東京湾の絶景は、遠い夢物語になってしまった。
ところで、平成元年(1989)に横浜市と上海市の友好都市締結15周年を記念してつくられた上海横浜友好園は、建物が老朽化したため現在は立ち入り禁止になっている。となりの三溪園には数百年前の建物が健在だというのに、何とも残念だ。