函館の洋館
北海道函館市末広町19-15 旧金森洋物店 他
港町には洋館が似合う。横浜、神戸、長崎など、早くから海外と交流のあった街では、異国情緒あふれる街並みを楽しむことができる。
鎖国が解けた安政6年(1859)に開港された函館にも多くの洋館が残っているが、ほかの港町とは少し違った趣がある。
長崎のグラバー邸や神戸の旧トーマス住宅(風見鶏の館)のような、「外国人が住んだ洋館」がほとんど無いのだ。
開港を機に訪れた多くの外国人たちは、商機を求めて首都・東京に隣接する横浜や商都・大阪に近い神戸へ集まり、函館には彼らのもたらした「雰囲気」だけが残された。
公共施設や商店、一般の民家にも数多くの洋館が建てられた。日本人棟梁たちが見様見真似で建てた洋館は「擬洋風建築」と呼ばれ、函館独特の景観を見せてくれる。なかでも、1階が和風、2階を洋風で建てた和洋折衷様式はほかにはない珍しいものだ。
今回は歩いて回ったので一部しか見ることはできなかった。こういう時、つくづく自転車があるといいなぁと思う。