細内観音堂の猫神様
宮城県伊具郡丸森町田町北
百々石公園の入り口にある細内観音堂の猫神碑は、彫られている文字が比較的はっきりと確認できる。「天保五年十一月吉日」(1834)の日付と、何やら和歌のようなものだ。「花の」という字が読めるが詳細はわからない。
周りには湯殿山や足尾山と書かれた山岳信仰の石碑が林立していた。
「足尾山」というのは初めて見た。銅山のある栃木県の足尾ではなく、筑波連山にある茨城県の山だ。山頂に祀られた足尾神社は足の病を治す神様として信仰されているという。
この前に立ち寄った福一満虚空蔵堂の由緒書きには、山伏(修験者)に姿を変えた落ち武者が祀ったのが始まりと書かれていた。もともと山岳信仰が信奉されていた地域だったのか、あるいはこの修験者が広めたものかはわからないが、どこへ行っても猫神と一緒に並んでいる石碑の中に霊山として知られる各地の山名を書いたものが見つけられる。
丸森は巨石の多い地域として知られ、それにまつわる伝説も多く伝えられているそうだ。そういった環境が山岳信仰にも関係しているのだろう。