2019年3月18日(月)

生 口 橋

広島県尾道市因島田熊町(因島) 〜 因島洲江町(生口島)

生口橋

因島と生口島をつなぐ生口橋は、橋長790m、平成3年(1991)の完成当時は世界最長の斜張橋だった。地盤の関係で海峡内に橋脚を建てられなかったため、橋の中央部分の割合が一般の斜張橋と比べて長い(中央径間490m)のが特徴だ。中央径間には軽い鋼桁、側径間に重いPC桁を使用してバランスをとるという、当時は世界でも珍しかった複合桁構造を採用している。

田熊休憩所

そもそも海に橋を架けるなんて、昔は想像もできなかった。だから、昭和54年(1979)の大三島橋(伯方島-大三島)開通以降、続々と瀬戸内の島々に橋が架けられ、昭和63年(1988)に瀬戸大橋が全面開通して本州と四国がつながった時にはビックリした。

「瀬戸内海に橋が架かった」と聞いた時、浅学なわたしは瀬戸内海に点在する島々を土台に橋脚を建て、本州から四国までを一つの橋で結ぶ絵を思い描いたのだが、まさかそんなことはあるはずがない。実際は、近接した島と島の間に橋を架けて、真珠の首飾りをつくるように繋いでいったのだ。海中には橋脚を建てられない、という点だけは正しかったようだが…。(※)

生口橋で実現された技術はその後、多々羅大橋(生口島-大三島)架橋に応用され、世界一(完成当時)の橋の建設に貢献することとなった。しまなみ海道はまさに、架橋技術の進歩を見ることのできる橋の博物館なのだ。

※ 本州四国連絡橋の児島・坂出ルートは、海峡部だけではなく経由する櫃石島などの島内も高架橋で通過する。それも含めた連続する10の橋の総称を「瀬戸大橋」と言うのでわたしの考えもあながち的外れではないかも。