国産レモン発祥の地
広島県尾道市瀬戸田町垂水 多々羅大橋自転車歩行者専用道
わたしが子どもの頃のレモンには、包装紙やシールではなく、表皮にSunkistと生産者の名前が印字してあった。身近にレモンを見ることが少なかったので、海外に対する憧れもあって、その横文字がかっこよく見えたものだった。
その一方で、食料品に直に印刷されているという状態が気持ち悪くて、皮ごと輪切りにしたレモンを紅茶に浮かべて飲むことに抵抗を感じていたことを思いだす。
多々羅大橋の生口島側のアプローチの途中に、「国産レモン発祥の地」の記念碑が建っている。その碑文の中に「輸入レモンのポストハーベスト農薬が問題になり」という一文を見つけて、私が感じていた不快感はこれだったのかな、と合点がいった。
周辺はレモン谷と呼ばれ、レモンをはじめとする柑橘系の果樹園が集中している。アプローチからも手が届きそうなところに黄色い実が鈴なりになっているのが見えて、そのうしろには青い海と青い空、そしてゴールデン・ゲート・ブリッジ(サンフランシスコ)みたいに大きな橋。アメリカ西海岸をサイクリングしているような雰囲気にテンションが上がる。
今はレモンと言えばレモンサワーぐらいしか縁がないけれど、学生の頃の山岳部時代、山行の小休止に食べたレモンの輪切りに蜂蜜をかけた補給食の味が忘れられない。あれは皮ごと食べていたけど、国産だったのかな?