多々羅大橋
広島県尾道市瀬戸田町垂水(生口島) 〜 愛媛県今治市上浦町井口(大三島)
しまなみ海道で最後に完成したのが、この多々羅大橋だ。平成11年(1999)5月1日に開通して、本州・尾道から四国・今治まで瀬戸内海を横断する道が一本につながった。位置的にも海道のほぼ中央にあり、しまなみ海道を代表する橋と言ってもいいかもしれない。
多々羅しまなみ公園にある完成記念碑では「世界最長の斜張橋」と謳われているが、現在は5位になってしまった。広島県のHPには「20世紀中に架けられた斜張橋としては世界最大」と書かれている。
橋桁を支えるケーブルが車道と自転車道の間に張られているので、海を見ながら走るときに視界を邪魔するものが無くて開放感がある。空を飛ぶように走る気分は最高だ。
自動車と違って、自転車は道のどこでも停まれるので楽しみがたくさんある。景色を見たり、広島県と愛媛県の県境で記念写真を撮ったり、自由自在。なかでも、「鳴き龍」は絶対に押さえておきたいポイントだ。
逆Y字型の塔の下で手を叩くと、その音が共鳴して龍が哭いたように聞こえる。お堂の天井に龍の絵が描かれている日光東照宮などの鳴き龍と違って、現代の鳴き龍は空に向かって駆け上る鉄塔に姿を変えている。手袋をしたまま手を叩くと、龍の声が宇宙空間に響いているような不思議な音がした。