2019年3月18日(月)

大山祇神社のクスノキ

愛媛県今治市大三島町宮浦3327

乎知命御手植の楠

総門をくぐると、楠の森に包まれた小学校の校庭ほどもある大きな広場が現れた。半導体工場のクリーンルームに入る前のエアーシャワー室と言うと例えが変だが、進んで行くにつれて、拝殿に詣でる前に俗世のしがらみが全身から洗い流されるような清々しい気持になっていく。

能因法師雨乞の楠

その広場の正面に乎知命(おちのみこと)御手植の楠(左写真)が、樹齢2600年とは思えない矍鑠とした姿で大きく枝を広げている。その後ろに控える神社の存在がかすむほどの神々しさだ。

広場の左手には日本最古の楠と言われる能因法師雨乞の楠(右写真)。ほかにも有名、無名の古木や巨樹が広い神域を覆っている。

大山祇神社は古来から「日本総鎮守」とされてきた。伊勢でも出雲でもない、ここが日本を守っているのだという。境内を覆う鎮守の杜の深さが、その永い歴史を物語っている。

木々のすべてが数千年の歴史を生きて来たわけではないけれど、クスノキは古来から脈々と命を引き継ぎわれわれを見守ってきた。わたしの命もおじいさんのおじいさんのおばあさんのおばあさんの…、遠い昔からたくさんのリレーをつないでここにあることを思うと、今ここに生きている奇跡、命の尊さに改めて気づかされるのだった。

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