2019年9月12日(木)

新田氏縁の旧家

神奈川県大和市下鶴間2233 大山阿夫利神社御分霊社

狛犬

町田から境川に沿って南下するサイクリングロードは、国道246号(厚木街道)と神奈川県道56号(八王子街道)が交差する目黒交差点付近で、道路が渡れないために川沿いを走れなくなる。一旦境川を離れた道は、観音寺交差点で八王子街道を渡り、住宅地を抜けて厚木街道の大和橋交差点を渡った先で川沿いに戻る。

神社

その途中に、以前から気になっていたところがある。道沿いに開いた民家の門の内側に、観光地に掲示されているような「新田軍の鎌倉進撃路」と書かれた大きな案内地図が見えるのだ。

門の外側には「大山阿夫利神社御分霊社」と書かれた看板が立っている。神社の境内にこの手の説明板が建っていることはあるが、神社は門を入って右側、進撃路の地図は左側の明らかに民家の敷地内にある。よくよく見てみると、地図の傍らに「元新田氏の歴史と其の由来」と題された石碑が建っていた。碑文によれば、当家は新田義貞に縁のある鎌倉時代から続く旧家であるらしい。

門の外にも「相洲鶴間村宿」と書かれた道標や新田氏との関連を示す石碑が並んでいる。とても重要な場所であるような雰囲気だが、あくまでも個人のアピールという範囲にとどまっているようだ。

神社の狛犬は昭和56年(1981)奉納の新しいもので、蝋石のような不思議な触感の石でできていた。石鹸で干支を模った正月飾りが、ふと脳裏をかすめる。せっかくの白い体が排気ガスで黒ずんでしまっているけれど、洗ったら溶けてなくなってしまうかもしれない。そんな気がした。

元新田氏の歴史と其の由来碑 | 新田氏挙兵六百五十年記念碑