2019年9月12日(木)

不如帰の碑

神奈川県逗子市新宿5-5 浪子不動園地

蘆花之故地

鎌倉から逗子へ、長い伊勢山トンネルを抜けた先で見えてきた海にポツンとたたずむ石碑のようなものが見えた。碑面には「不」「帰」の文字が見える。海難の慰霊碑だろうか。

不如帰の碑

陸地の側には小さな園地があり、「蘆花之故地」と書かれた看板が立っている。あぁ、「不如帰(ほととぎす)」(徳富蘆花)の碑か。

園地の奥に建つ建物の正面には「浪子不動 高養寺」と彫られた石柱が建っていた。わたしは「不如帰」を読んだことがないので知らなかったのだが、浪子はこの小説の主人公の名前らしい。この地が小説の舞台になったことから「浪子不動」と呼ばれるようになったのだそうだ。

海中に立つ碑は昭和八年(1933)に建てられたもので、江戸時代の初めに江戸城修築のために伊豆から石を運んできた船が難破し、置き去りにしたものを利用したのだという。工事を担当した藩の名前をとって、鍋島石と呼ばれていたそうだ。

「蘆花之故地」の説明