2019年9月24日(火)

宇 品 橋

広島県広島市南区宇品西2丁目 〜 中区南千田西町

南側橋詰

おかしい。これは一体どういうことだ。トラス橋、アーチ橋、吊橋、どんな構造の橋でも、上部の構造物は橋桁の両側にあるんじゃないか?橋の上から眺めると、いつも視界はトラスの鋼材や吊橋のケーブルで遮られる。

橋上

なのにこの橋は、片側二車線の道路の真ん中にアーチがある。しかもそれは、川を渡る前のアプローチも含めた長い橋のほんの一部分についた飾りのように見えて、素人目にはこれが橋の構造に重要な役割を果たしているとは思えない。

その姿はまるで、背中に帆のある恐竜・エダフォサウルス(※)のようだ。

平成12年(2000)3月19日に開通し、その年の優れた橋梁作品に与えられる土木学会田中賞を受賞している。

橋上のアーチにばかり気をとられてしまったが、この橋は、陸橋部分の単弦ローゼ橋と京橋川に架かる4径間連続パイプアーチ橋の二種類の様式が組み合わさって一つの橋を形作っている。田中賞の受賞対象は、パイプアーチ橋部分。見るべきは、水面をはずむように軽やかにリズムを刻むパイプアーチの方だったようだ。

※ わたしは今の今までエダホ(枝帆)サウルスだと思っていましたが、エダフォ(edaphos、古代ギリシア語で「地面」)サウルスでした