平 羅 橋
広島県呉市豊町大長(大崎下島) 〜 (平羅島)(牛渡瀬戸)
コンクリート製の吊橋を見たのは初めてかもしれない。コンクリート橋と言ってまず一番に思い浮かべるのは、お茶の水の聖橋のようなアーチ橋。ここまで渡ってきた安芸灘大橋(吊橋)や蒲刈大橋(トラス橋)は鉄製だった。
だから、平羅橋(へいらばし)のお世辞にもスマートとは言えないねずみ色の主塔を見た時はギョッとした。
橋長98.5m、桁下高さは約5m、とびしま海道では一番小さな橋だが、どっしりとした姿には存在感がある。広い海を力任せに渡るしまなみ海道の巨大な橋たちとは違う、ほのぼのとした味わいのある橋だ。
間に二つの無人島(平羅島、中ノ島)をはさんで連続する三橋の残り二つが同じニールセンローゼ橋なので、武骨なお兄さんとかわいい双子の妹みたいな感じだが、実際に誕生したのは、両端の平羅橋と岡村大橋が同い年で平成7年(1995)。真ん中の中の瀬戸大橋が平成10年(1998)に完成して全体がつながった。