萬 翠 荘
愛媛県松山市一番町3-3-7
四十数年ぶりに訪れた松山は、「坂の上の雲」の町になっていた。主人公の三人(秋山兄弟と正岡子規)が松山の生まれなのだ。
司馬遼太郎のこの小説が発表されたのは昭和43年から昭和47年(1972)にかけての新聞連載だったから、前回の旅の時にはすでに単行本も出ていたはずなのだが全く記憶にない。
平成19年(2007)に「坂の上の雲ミュージアム」が開館し、その後、NHKでテレビドラマ化されたことが観光化の推進力になったのだろう。
司馬遼太郎に興味はないけれど、あちこちに案内があるので何となく導かれてミュージアムに向かうと、その隣に素敵な洋館を発見した。旧松山藩主である久松家の当主定謨(さだこと)伯爵が大正時代に建てた別邸で、陸軍駐在武官としてフランス生活が長かった伯爵の趣味で純フランス風に建てられている。
園内には夏目漱石が下宿をした愛松亭跡に建てられた「漱石珈琲店」もあり、坂の上の雲なんかより断然魅力的だったのだが、予定していなかったので見学する時間がない。泣く泣く外観だけ写真に撮って帰ってきた。
今回の松山観光はそんなのばっかりだ。