ターナー島
愛媛県松山市高浜町1丁目沖 四十島
夏目漱石の「坊っちゃん」に登場する島だという。
いまいち記憶がはっきりしないので、かび臭くなった昔の文庫本を引っ張り出してきて読み返してみた。
坊っちゃんが松山に赴任してきたばかりの頃、風呂で泳いだことを冷やかされ、当直の布団の中にバッタを入れられて大騒ぎした後のエピソード。赤シャツに海釣りに誘われる場面に「青嶋」の名前で登場する。
赤シャツが「ターナーの画にありそうだ」というので、腰ぎんちゃくの野だいこが「ターナー島と名づけよう」と提案して、「あの岩の上に(中略)マドンナを置い」たらいいとおべんちゃらを言う。
それで思いだした。遠い記憶の中に、公園の噴水の真ん中に立つビーナス像をマドンナになぞらえるシーンがあるのだが、それはこの部分のイメージがなんかの拍子にすり替わったものだったのか!
思い違いついでに言うと、清の好きな「越後の笹飴」は、「仙台の笹団子」だと思っていた。学生時代、登山の帰りに中央線の笹子 - 初鹿野(はじかの、現甲斐大和)駅間で車内販売される笹子餅が好きだった。その売り子のおばあさんと清のイメージが重なり、仙台の笹かまぼこともごっちゃになってそう思ったらしい。
想い出は作られるものなんだな、とつくづく思う。