関戸橋跡
東京都府中市住吉2-30地先
普段は全く意識していなかったのに、無くなってみると急に気になってくるものがある。多摩ニュータウン方面に行くときにいつも利用している関戸橋のリニューアル工事が進んで、昭和12年(1937)に架けられた旧橋が撤去されようとしている。
13連結コンクリートゲルバー桁という構造のコンクリート橋で、細かい13のアーチをリズミカルに連ねた姿が美しかった。橋脚ごとに橋灯付きのバルコニーがついたデザインは全国でも例の少ない独特のものだったというのだが、そう聞いてハテと疑問がわいた。
バルコニーに覚えがない。この橋、渡ったことがないかもしれない。
関戸橋は、上流側に昭和46年(1971)に完成した新橋があり、府中側から多摩方面へは旧橋、その反対は新橋を渡るようになっている。旧橋は車道が狭くて歩道がないので、思い返せば、いつも自転車でこの橋を渡るときには新橋の歩道を通っていたはずだ。旧橋は景色として見ていただけで、だから思い入れが薄いのかもしれない。
今後、旧橋跡に新しい橋を架け、上流側の仮橋を撤去する予定だが、渇水期の11月から5月までしか作業に着手できないため、平成27年(2015)に始まった工事は完成まで16年ほどかかる予定だという。
完成する頃もまだ、わたしは自転車に乗っているだろうか。
(保存された橋の遺構と解説) : 府中市側(中河原公園) | 多摩市側(ろくせぶ公園) || 現役の頃