天地睨みの狛犬
神奈川県川崎市川崎区宮本町7-7 稲毛神社
ギャグマンガに登場する悪役のような顔をした狛犬に出会った。
吽形は道に落ちている大きな肉が、食べられるか食べられないか、もしかしたら何かの罠かもしれないと訝りながら、さてどうしたものかと思案顔。
対する阿形は、その様子を見てギャハハハハと笑っているところを後ろから誰かに殴られ、寄り目になって倒れる寸前、という感じかな。
そういう、ちょっと抜けた悪役の子分二人組って、ギャグマンガの定番だよね。
説明書きには「鋭い眼光で厄魔を祓う」と書いてある。吽形はまだしも、阿形の寄り目はどうかなと思ったが、あぁあれかと思いついて合点がいった。歌舞伎役者が見えを切るときにやる「にらみ」だ。
「にらみ」は、歌舞伎役者の中でも市川團十郎家(成田屋)だけのお家芸で、舞台で演ずるほか、新年のあいさつなどでも披露され、「團十郎のにらみを見れば邪気が払われ、一年間無病息災で暮らせる」とも言われている。
ドジな二人組と言って悪かった。なかなか粋な狛犬だ。
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