2020年10月2日(金)

三色のヒガンバナ

神奈川県横浜市港北区新羽町2586番地 西方寺

ピンク

赤・白・黄、三色のヒガンバナが参道の両脇を埋めている。赤だけならまだしも、白と黄色の花がこれだけ集まっているのは珍しい。その珍しい景色を一目見ようと、平日にもかかわらずたくさんの人が押し寄せている。

参道

三密を避けて不要不急の外出は控えよう、と言われてきた日々が嘘のようだ。

尤も、集まってきているのは高齢者ばかり。平日のせいもあるけれど、昨日からGoToキャンペーンの対象に唯一除外されていた東京都も加わり、若い人たちは遠方に出かけて行ったということかもしれない。

三色のヒガンバナを堪能し、弘化年間(1844〜1847)に創建されたという山門を潜ると、みんな一様にまったりとして境内の静けさに身をゆだねている。享保六年(1721)築の本堂の濡れ縁に腰を掛けて、もうヒガンバナのことは忘れたような顔でぼんやりしている人もいる。

実は境内の片隅にもう一色、ピンクのヒガンバナが咲いていることに気づいている人は少ないようだ。視力の弱った眼には、色あせた赤い花と見えているのかもしれない。

「おぉい、こっちだよぅ」。一所懸命に首を伸ばして、ピンクの花はみんなを呼んでいるようだった。

西方寺来歴 | 木造十一面観音菩薩立像 | ロウバイの頃