2020年10月2日(金)

蛇 も 蚊 も

神奈川県横浜市鶴見区生麦3-13-37 神明社

蛇

"JAMOCAMO FESTIVAL"なら、わからないけどわかったような気になれる。ジャモカモ祭でも、まぁギリギリ。港町ならそんな舶来っぽい名前のお祭りがあるかもしれないと思う。でも「蛇も蚊も」と漢字で書かれると、なんだそれ、という感じだ。蛇はまだしも、蚊ってなんだよ。

神明社

生麦で行なわれる「蛇も蚊も」は、萱で作った長大な蛇が町内を練り歩いて悪霊退散を願う伝統行事だ。世田谷の奥澤神社にも「大蛇のお練り」という類似の行事があるが、奥沢では作った大蛇を注連縄にして飾っておくのに対し、こちらの蛇は体内に封じ込めた悪霊とともに海へ流される(※)。

祭礼が行われる神明社の隣の公園では、その蛇をモチーフにしたオブジェが砂場を取り囲むようにしてとぐろを巻いていた。

他の多くの祭礼やイベントと同様、このコロナ禍で今年の蛇も蚊もは中止になったそうだ。「約300年前に悪疫が流行したとき」に始まったという起源を考えれば、今こそやるべき行事だと思うのだが、現代の人はそうは考えない。楽しく騒ぐだけではない、お祭りの本当の意味を考えて欲しいと思うけれど、それは古い考え方なのかな。

※ 現在は環境に配慮して、海には流さず燃やしているそうです

横浜市教育委員会の説明板 | 本宮地区(道念稲荷神社)の蛇も蚊も