2020年11月16日(月)

八ツ沢発電所施設 第1号水路橋

山梨県大月市猿橋町59

猿橋から

猿橋を見に来て猿橋を渡る。

猿橋の見どころは橋を支える特殊な構造なので、もちろん橋の上からは見えない。渡らずに上流側の新猿橋(県道505号)や、橋の下の遊歩道から外観を見るべきとわかっていても、やっぱり橋は渡ってしまう。

水路橋

橋の上から下流側を見ると、両側が切り立った断崖絶壁の途中に古い橋が架かっている。橋の両側はトンネルになっていて、その入口を護るレンガの壁が時代を感じさせる。まわりの紅葉もきれいなので、猿橋を見に来たはずなのにこの橋の写真ばかり何枚も撮ってしまうことになる。その先の新猿橋(国道20号)との取合せもいい眺めだ。

この橋には、桂川上流の駒橋発電所から下流の八ツ沢発電所に水を送る水路が通っている。桂川本流に沿って稼働する8箇所の発電所は、使用した水を下流の発電所にリレー形式で送る形で結ばれており、この水路橋はその一部なのだ。

この橋を含め、明治45年(1912)に運用を開始した八ツ沢発電所の一連の施設は、わが国最初期の本格的水力発電所施設として重要文化財に指定されている。

ちなみに明治40年(1907)に運用を開始した駒橋発電所は、特別高圧送電により山間部の水力発電所から都市部への電力供給を初めて実現した「長距離送電発祥の地」なのだそうだ。

大月市教育委員会の説明板