2021年9月29日(水)

豊島区立トキワ荘マンガミュージアム

東京都豊島区南長崎3-9-22 トキワ荘公園(南長崎花咲公園)

電話ボックス

トキワ荘マンガミュージアムの前に、懐かしい電話ボックスを見つけた。トキワ荘に住んでいた若い漫画家たちが出版社との打ち合わせに使っていた、旧落合電話局前の公衆電話を再現したのだそうだ。

トキワ荘

電話ボックスの前にある公衆トイレの外観は、その電話局をイメージしてつくられている。

昭和29年(1954)に誕生した鋼製のボックスは、昭和44年(1969)からは四方を透明なガラスで囲った現在の形に順次置き換えられ、それも今や携帯電話の普及によって姿を消しつつある。もはや今の若い人たちにとって、これはドラえもんの道具の「もしもボックス」でしかない。

ミュージアムの内部は漫画家たちの梁山泊と言われた昭和30年代前半、約60年前の様子を再現している。わたしが若かった頃の60年前と言えば大正時代だ。ここで青春時代を過ごした漫画家たちも、多くはこの世を去ってしまった。わたしたちの世代には懐かしい風景も、今の人には想像もつかないような昔話の世界なのだろうか。

昔、「明治は遠くなりにけり」(※)と言った人がいたけれど、昭和も遠くなってしまった。

※ 「降る雪や明治は遠くなりにけり」 中村草田男 昭和6年(1931)

トキワ荘跡(2017/10/31の訪問)