2017年10月31日(火)

トキワ荘跡

東京都豊島区南長崎3-16-6(跡地碑) / 3-9-22(南長崎花咲公園)

ホーロー看板

しばらく海外旅行に行っていない。2008年に行ったL.A.が最後かな。

その時一緒に行った息子にどこかに行こうと誘ってみたが、引きこもりの彼は海外どころか都内でも出たくないという。さんざん話をして、どうしてもと言うならコルマール(Colmar)なら行ってもいいという。え?どこ?今までに聞いたこともないこの東フランスの街は、彼の好きなアニメの舞台になったところ(聖地)なのだそうだ。

記念碑

もちろんパッケージツアーなどなく、個人旅行で行くにはハードルの高そうな地方都市だが、ネットで情報を集めてみるとアニメファンたちの訪問記がいくつも見つかった。

この反対に、海外のアニメファンが日本の聖地巡礼に訪れる例も増えている。「アニメツーリズム」と呼ばれ、訪日観光の目玉として注目を浴びているそうだ。

フランス語も日本語もわからない若者たちが、聖地に向かって邁進する。「好き」というエネルギーは、時に、とんでもない力を発揮するものだ。

とりあえずフランス行きは難しそうなので、一人で近場の聖地に行くことにした。手塚治虫や藤子不二雄、赤塚不二夫、石森章太郎ら(※)、マンガ・アニメの創生期を築いた神様たちが青春時代を過ごしたトキワ荘跡。正真正銘の漫画の聖地だ。

とは言っても、今の人たちには縁の薄い人たちばかり。聖地の熱気はどこにもなく、商店街にはシャッターを下ろした店も目立つ。記念碑のある南長崎花咲公園ではお年寄りたちがまったりとゲートボールを楽しんでいた。

※ 漫画家の名前は当時の表記に倣いました。現在の藤子不二雄は、藤子・F・不二雄と藤子不二雄(A)、石森章太郎は石ノ森章太郎です。

※ 南長崎花咲公園内に2020年、豊島区立トキワ荘マンガミュージアムが開館しました

トキワ荘跡地 | 記念碑「トキワ荘のヒーローたち」(碑文) / (解説) || 模型「トキワ荘」(石ノ森萬画館)