ふたつの句碑
神奈川県三浦市三崎町城ケ島 城ヶ島公園
城ヶ島公園は毎年「水仙まつり」が開催されるスイセンの名所なのだが、さすがに3月にはいって見頃は過ぎてしまった。アップには堪えられないので、松本たかしの句碑を主役にして全体を写真に撮った。
「松本たかし」は虚子門下の俳人だが、「まつもとたかし」と聞いてわたしが思い浮かべるのは「松本隆」。「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)や「赤いスイートピー」(松田聖子)をはじめ、数々のヒット曲を手掛けた日本を代表する作詞家の一人だ。
そういえば、アニメ映画「君の名は。」(新海誠監督、2016)がヒットした時、昭和の名作「君の名は」(菊田一夫原作、1952、ラジオドラマ他)を思い出す世代と若者のギャップが話題になった。世代や興味の範囲が違えば、同じ名前を聞いてもイメージするものは様々なのだ。
その「君の名は。」の製作委員会に名を連ねたKADOKAWA(角川書店)は、二代目社長の角川春樹の時代にエンターテインメント路線に大きく舵を切っているが、当初は文芸書や辞書を出版する堅いイメージの会社だった。創業者の角川源義(げんよし)は国文学者・俳人でもあり、その句碑が城ヶ島公園内に建っている。