若山牧水夫婦歌碑
神奈川県横須賀市長沢2-1
白鳥(しらとり)は哀しからずや 空の青海のあをにも そまずただよふ
愛唱歌というわけではないけれど、なぜかこの歌はいつでもすっと口ずさむことができる。波間に漂う白鳥(カモメかな?)の情景がふっと頭の中に浮かんでくる。
空も海も青一色の世界で、その色に染まることなく純白のままでいる白鳥の孤高。それは哀しいことなのだろうか。
牧水の恋や人生に絡めた文学者たちの様々な解釈とは別に、わたし自身の読み方でいつもそのことを考えている。
この歌が刻まれた歌碑の裏には、彼の妻喜志子の歌が刻まれている。体を壊した彼女の療養のために、牧水一家は一時期この地に住んだことがあった。この夫婦歌碑と隣に建つ牧水単独の歌碑は、そのことを記念して建てられたものだ。
国道沿いに200mほど三浦方面に進んだ先には、この地にゆかりの物理学者長岡半太郎と牧水の遺品などを集めた長岡半太郎記念館・若山牧水資料館(長沢2-6-8)がある。