長井町荒井の道切り
神奈川県横須賀市長井6-29 長井荒井漁港周辺
荒崎公園へ向かう途中のバス停に教育委員会の説明板が立っていた。珍しいバス停、ということはないと思うけれど何だろうと思ってみてみると、土地に伝わる「道切り」の風習について書かれている。あぁ、これならほかのところでも「ふせぎ」「辻切り」などの名前で伝わっているのを見たことがある。
説明によれば三浦半島の中でも荒井地区にだけ残っている習俗なのだという。
今は長井町に統合されているが、このバス停(荒崎・終点)の周辺の字が荒井、ひとつ前のバス停(漆山)周辺は漆山という。両地区の境に道切りのしめ縄が架かっていた。5月に作られたものだというので雨風に打たれて見る影もないが、草鞋が付いているのだけは確認できる。
道切りは集落に災いが侵入するのを防ぐために設けられるものだ。海に開けた地域で、災いは海のむこうからではなく、陸続きの隣の土地からくると考えられているところがおもしろい。その海のむこうには、霊峰富士山の姿がきれいに見えた。