下宿のふせぎ
東京都清瀬市下宿2-519付近(観音坂)
「大蛇」ということになっているらしいのだが、イマイチ姿形がはっきりしない。中央の房のようなものに付いている丸いものは目玉だろうか。世田谷の奥沢神社の大蛇もまん丸の目をしていたが、これは一つで顔の体をなしていない。
草鞋のようなものもぶら下がっている。これは青梅で見たことがある。おなじように「ふせぎ(塞)」と呼ばれていた。
この大蛇は旧清戸下宿(したじゅく)村の伝統行事(東京都無形民俗文化財)で、村に厄災が入ってくるのを防ぐために旧村境に架けられているものだ。このほかに小さな蛇を作って旧村境14箇所に取り付けるそうだ。
資料を見ると森永チョコボールのキョロちゃんのようなまん丸目玉にくちばしの付いた顔をしていたようだ。毎年5月3日に作り替えるというから、すでに11ヶ月を経過してぼろぼろになり、もとの形を留めていないということなのだろう。1年の間、侵入しようとする厄災と戦い続け疲れ傷ついた兵士の姿。地域の人たちを護りきり、みなが平穏無事に過ごすことが出来た証なのだ。
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