日和山
宮城県名取市閖上東2-13-1 名取市震災メモリアル公園
かわいい顔をした狛犬だなぁと思って写真を撮った。外国産の愛玩犬のようにも見えるし、アニメキャラクターのお転婆小学生、あるいは口うるさい駄菓子屋のおばあさんのようにも見える。
台座が埋まっているのでわからないが、いつ頃の時代のものだろうか。
日和山はその名の通り日和(空模様)を見るために作られた山だ。港の近くにあって空の様子、海の様子を眺めて、船を出す参考にしていたのだろう。
あの日もこの山の上から海を見ていた人がいたかもしれない。彼(または彼女)が見た景色を、わたしには想像することができない。津波は標高6.3mの山を丸々呑み込み、更に2.1m上まで浸水した痕が残っていたという。
改めて狛犬の写真を見返すと無表情というか、日和山の主の役目として目の前の景色から冷静に状況の分析をしようとしているような貌にも見える。旅の初めに見た相馬妙見宮初発神社の狛犬が、津波の恐怖にフリーズしてしまったような表情をしていたのとは対照的だ。
かわいく見えたり、冷徹に見えたり、何とも不思議な雰囲気が漂う狛犬なのだった。
(説明板): 日和山 | 富主姫神社 / 閖上湊神社