東京2020大会 有明聖火台
東京都江東区有明3-7 シンボルプロムナード公園
「参加することに意義がある」
前回(1964)の東京オリンピックの時、子どもだったわたしはこの言葉を何回も聞かされた。勝ち負けとか、ましてやそれでお金を儲けるとか、そういうものから離れた崇高な理念に基づいてオリンピックは開催されるのだと思っていた。
ところが商業主義に転じた1984年のロサンゼルス大会以降、そんなオリンピック精神はないがしろにされているような印象がある。東京2020大会では開催前からなんやかんやとごたごたが続き、今もスポンサー契約をめぐる汚職事件などが報道されている。
大会期間中、夢の大橋に設置されて聖火の預かり所となった聖火台が有明駅前のイーストプロムナードに帰ってきた。
聖火台の周りに立てられた無数のステンレスの柱が午後の陽を浴びてキラキラと輝いている。それは文化や国籍など様々な差異を越えて集まり、聖火を捧げ持つ選手や観客たちの、オリンピック・パラリンピック大会にかける純粋な気持ちを表しているように見える。そういう意味で、国立競技場前に保存さえている単体の聖火台よりこっちのほうがわたしは好きだ。
デザインした人の思いは違うかもしれないが、この聖火台がオリンピック精神の原点を思い起こさせるものとしていつまでも輝いていてほしい、と願っている。
聖火台について | 大会期間中の聖火台 || 石と光の広場で催されていたARTBAY ILLUMINATION 2022