陣ヶ下高架橋
神奈川県横浜市保土ケ谷区川島町1513-1 陣ケ下渓谷公園
迷いこんだ密林の奥に忽然と現れた古代文明の遺跡。渓谷に林立する円柱の列を見てそんなことを思い浮かべた。
帷子川を渡る環状2号線が、流れ込む陣ケ下渓谷ごと一気に越えていく高架橋を支える橋脚は、道路との接続部分の滑らかにカーブした形状が巨大なエリンギのように見える。表面に浮ぶ木枠の跡も美しく、横浜市内とは思えない深山幽谷の景観に違和感なく溶け込んでいる。
上下線を分ける中央分離帯から指す光が圧迫感を和らげ、頭上をたくさんの自動車が走っているとは思えない安らかな気分で散策を楽しめるのがうれしい。
橋梁デザイナー大野美代子の設計で、平成13年（2001）に竣工。同年の土木学会田中賞と平成15年（2003）の土木学会デザイン賞最優秀賞を受賞している。