磯部頭首工
神奈川県相模原市南区磯部449付近
「頭首工」とは耳慣れない言葉だと思って調べてみると、農業用水を河川から取水するための施設とあった。今まで「取水堰」という言葉で見知っていた施設のなかで、特に農業用のものをこう言うようだ。
磯部頭首工は、相模川を水源とする県下最大の頭首工だ。
江戸時代に相模川左岸の五つの村で利用する五ヵ村用水の取水口として設けられ、昭和10年(1935)から現在の施設で通水を開始。これによって茅ケ崎にまで至る約20kmの用水路が引かれ、約1,600ha(当時)の水田を潤したそうだ。
頭首工の下手に眼鏡のように二つの穴が開いたオブジェを見つけた。「相模川伏越」とタイトルが付いている。説明によると、相模川対岸の厚木・伊勢原・平塚地区に通水するため、左岸で取水した水を右岸へ渡すための施設なのだという。そんな面倒なことをせず、右岸でも川から直接取水したら良かろうにと思うのだが、水問題はいろいろあって難しいのかもしれない。