宮ヶ瀬湖
神奈川県相模原市緑区鳥屋 / 愛甲郡清川村宮ヶ瀬
相模川支流の串川を遡り、峠と言うのも憚られるような小さな尾根を乗越して宮ヶ瀬湖の鳥居原園地に着いた。宮ヶ瀬湖は津久井川の上流にあるダム湖だ。小河内ダムの奥多摩湖をはじめダム湖を訪ねるときには、ほとんどの場合その湖から流れ出た川を遡って行くので、違う川の方から来たのは珍しい。
ダムがある方を表玄関だとすれば、こちらは裏口になる。巨大なダムの人工的なダイナミズムに対して、おおらかな自然の風景が広がっている。玄関を通らずに裏木戸からお邪魔したら、よく手入れのされたお庭の景色に感動した、みたいな気分。
山々の紅葉はまだだけれど、鳥居原ふれあいの館のまわりのドウダンツツジが真赤に色づいていて、湖面の藍、空の青に映えて美しい。
目の前に大きく目立つ山は本間ノ頭(1345m)。この後ろに丹沢山が隠れている。手前の鉄橋は宮ヶ瀬湖ができる前(昭和60年)から中津川渓谷(早戸川)に架かっていた虹の大橋だ。橋は転落防止の高いフェンスで囲われていて、橋を見る景色はよいのだが、橋から見る眺めが楽しめないのが残念だ。
湖畔の道を反時計回りに回っていくと、途中の宮ヶ瀬湖畔園地に橋長315mの水の郷大吊り橋が架かっている。無料で渡れる歩行者専用の吊橋では日本一の長さと聞いていたので、歩くと揺れるワクワクが楽しめるかと期待していたのだが、残念ながら橋の上で跳ねてもびくともしない頑丈な橋だった。