塩屋埼灯台
福島県いわき市平薄磯宿崎34
紺碧の空に白亜の灯台が映える。全体のバランスも良く、その姿形は「ザ・灯台」そのもの。その美しさに思わずため息が出る。
塩屋埼灯台は、全国に16基ある「のぼれる灯台」の一つだ。以前訪ねた観音埼灯台では、参観時間前で残念な思いをしたので、今回が灯台初登頂。103段のらせん階段を登って360度の景色を楽しんできた。
東側は180度海しか見えない。水平線がわずかに膨らんで見えて、地球が丸いのがわかる。北側はほぼ南北にまっすぐな海岸線に波が寄せている。遠くに広野火力発電所の白い煙突が見えた。
千里を照らす(※)フレネルレンズも間近に見られて、今日の旅の最後を飾るにふさわしい最高の体験だった。
ところで、現地に行くまで知らなかったのだが、ここは灯台守夫婦の人生を描いた映画「喜びも悲しみも幾歳月」(監督:木下惠介、1957)のモデルとなった灯台なのだそうだ。灯台守の駐在は昭和46年(1971)に終了し、その後、平成5年(1993)に無人化されて、今は自動化されている。
映画と共にヒットした主題歌の歌碑が、駐車場の片隅に建っている。
※ 実際に光が届く距離は22海里(約41km)