狛 犬
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31 鶴岡八幡宮
鎌倉駅に近い鶴岡八幡宮の二の鳥居の前には、高さ3.8m(台座含む)という巨大な狛犬が鎮座して段葛の入口を守っている。鎌倉幕府の守護神として圧倒的な存在感を示す八幡宮に相応しい威厳のある狛犬だが、対して本宮に続く大石段の足元にいる二匹には何とも言えないほわほわとした雰囲気が漂っている。
鋭い目つきで睨みを利かしたつもりのようだが、目立った髭やたてがみはなく、丸みを帯びた幼児体形で全然怖さを感じない。寛文八年(1668)と古い作だからかもしれない。
前々回(2022)のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼朝役を演じたのはコミカルな役も多い大泉洋だった。武骨で威厳のある頼朝像というよりは、もうちょっと隙のある人間味のある感じがしていたなぁと、この狛犬を見て思い出した。
ちなみにこの狛犬はかつて階段の上の本宮前にあった時代があり、一部では階段落ち狛犬と呼ばれている。本体に比べて不釣り合いに大きな台座に載っているのはそのせいかもしれない。