港町ブルース歌碑
宮城県気仙沼市港町1-10地先
あぁそうだ、そんな歌があったっけ。
森進一と言えば、物まねの人が歌う「おふくろさん」や大瀧詠一の作曲で今までのイメージを一新した「冬のリビエラ」が有名だが、シングルの売り上げではこの曲が一番なのだそうだ。
碑文を読む前から「♪背伸びして見る海峡を〜」と、思わず歌詞を口ずさんでしまう。発表された昭和44年(1969)当時小学生だったわたしは、テレビの歌番組で歌われる歌謡曲に夢中だった。
歌詞の意味はよくわからなかったけれど、歌謡曲では愛とか恋とか「見てはいけない大人の世界」みたいなものが歌われていると子ども心に思っていたので、レコード屋には今でいうビデオショップのAVコーナーのようないかがわしいところというイメージを持っていた。一方で、怪獣映画の一部分をラジオドラマ仕立てにしたソノシートがレコード屋で売っていて、それを入手するにはどうしたらよいかと真剣に悩んだことも懐かしい。
今の人には「歌謡曲」も「レコード屋」も「ソノシート」も、「ビデオショップ」ですらも知らない世界のことかもしれない。昭和は遠くなりにけり、なのかなぁ。歌碑から流れてくる歌を聴きながら、そんなことをしみじみと思った。
前回来た時には閑散としていた魚市場前にたくさんの漁船が並んでいた。港町らしい景色が戻ってきて、本当に良かった。