2011年4月10日(日)

広園寺の山桜

東京都八王子市山田1577

仏殿

山桜は花と一緒に茶色い葉が出てくるので、ちょっと見、枯れ木に花が咲いたように見える。ましてや齢を重ねた古木ならなおさらだ。花の色も紅が薄くて枯れた味わいがある。

全体

広園寺の境内に大きく枝を広げた山桜は、特に文化財の指定は受けていないようだが、傍らの立て札には「準天然記念物 樹齢約三百年」と案内されている。禅宗寺院ならではの落ち着いた雰囲気の中で、派手ではないけれど、息を止めて見入ってしまうような美しさを漂わせている。樹高20mはあろうかという堂々とした姿だ

本堂の前では、(今日はすでに花を散らしてはいたけれど)、大きなしだれ桜の木が枝を揺らしていた。しだれ桜を舞を踊る姫君に例えるとすれば、この山桜は背筋を伸ばしてその姿を見守る矍鑠(かくしゃく)とした翁の風情。こんな風に老いることはできるだろうか、と自問してみるが、答えはため息ばかり。せめて今こうして桜を見られる時間を大事にしたい。

(参考)2011年の東京の桜開花宣言は、3月28日でした。

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