山手公園
神奈川県横浜市中区中区山手町230
「日本最初の洋式公園は横浜の山手公園」と聞いて、日比谷公園もそう言われていたのを思い出した。山手公園の開園は明治3年、日比谷公園は同36年だからずいぶんと隔たりがある。
どうやら日比谷公園を「初」というのは、花壇や噴水のある「近代都市公園」として、ということらしい。山手公園の方は、今までの日本にはなかった洋式の公園として最初のものなのだ。
第一印象はテニスコートばかりが目立って、昭和9年(1934)に建てられた山手68番館を移築したクラブハウスぐらいしか見所がないように思っていたのだが、しばらくぼんやりと歩いていたらまんざらでもない気持ちになってきた。長い年月を経てきた木々が大きく枝を伸ばして気持ちの良い日陰を作っている。ざわざわと葉を揺する音、時折聞こえてくる野鳥の声、どこからか漂ってくる甘い匂いも心地よい。
古い写真を見ると芝生広場が広がる開放的な公園だったようだが、わたしには森林公園のようになった今の方が好もしく思える。桜の木がたくさんあるので、春には見事な景色を楽しませてくれることだろう。