2011年6月4日(土)

小野神社

東京都多摩市一ノ宮1-18-8

木鼻

多摩市一ノ宮に鎮座する小野神社は、その地名にあるとおり武蔵の国を代表する筆頭格の神社とされていた。「た」と過去形なのは、室町時代以降は大宮の氷川神社が一宮とされているからだ。律令時代に武蔵の国を代表する六社を合祀して創建され、「六所宮」とも呼ばれる府中の大國魂神社では一之宮が小野神社、三之宮が氷川神社となっている。

小野神社

現在の小野神社は、鳥居に菊の御紋はあるものの、社務所に人影はなく訪れる人もまばらでひっそりとしている。建物も新しく、鎌倉時代から唯一残る木像随身倚像は堅く扉を閉ざした蔵の中で眠っている。

正門となる随神門は平成九年に再建されたものだが、お決まりの龍や獅子のほかにもいろいろな動物が彫られていて、見ていて飽きることがない。猪や馬の姿が見られたので十二支を配しているのかと思ったが、全部を見つけることはできなかった。

木鼻には獅子や獏ではなく波間に踊る千鳥。顔を出しているのは、鯛にしては細いし、鯉は海にはいない。まさか鰹?なんて想像しながら見るのが楽しい。鉄アレイらしきものを持った現代風の雷神を見つけた時には、思わずニヤリとしてしまった。

東京都教育委員会の説明板(木像随身倚像)