横浜山手聖公会
神奈川県横浜市中区山手町235
軽快な木造洋館・山手資料館の隣には、それとは対照的に、大谷石の外壁に覆われた重厚な建物が建っている。まるで中世の城館のような佇まいだ。このスタイルは、ロマネスクの流れをくむノルマン様式というらしい。
横浜山手聖公会は、文久3年(1863)に横浜居留地105番に建てられたクライストチャーチを前身とし、明治34年(1901)にこの地に移転してきた。その時の聖堂は関東大震災によって失われ、昭和6年(1931)に山手111番館やベーリック・ホールと同じJ.H.モーガンの設計によって再建されたのが現在の建物だ。
その後も、戦災や放火によって被害を受けてきたけれど、その都度修復されて現在に至っている。幾多の困難を乗り越えられてきたのは、単に石壁の堅牢な造りだったからというだけではないだろう。教会員の信仰の力、彼等を見守る神の恩寵が聖堂を守ってきたのに違いない。