カトリック山手教会
神奈川県横浜市中区山手町44
横浜におけるキリスト教会の歴史は、文久2年(1862)に横浜居留地80番地に建てられた横浜天主堂(聖心聖堂)に始まる。この教会が明治39年(1906)に山手に移転して、現在のカトリック山手教会となった。
現在の聖堂は昭和8年(1933)に、エリスマン邸を設計したA.レーモンドと同じチェコ人建築家ヤン・ヨセフ・スワガー(Jan Josef Svagr)の設計によって建てられたものだ。
似たような移転と再建の歴史を持つ横浜山手聖公会が城館のように重々しく見えるのに対して、いかにも教会、という感じのネオ・ゴシック様式。屋根の緑と白っぽい壁の配色も軽やかで対照的だ。
建物は建て替わっているけれど、三角屋根の鐘塔には初代教会時代の鐘がまだ健在だとか。門柱に掲げられた日本語の表札は「カトリック教会」とシンプルだが、英字の表札には "CHURCH OF THE SACRED HEART"(聖心教会)と明記され、創建時の名称を今に伝えている。