井田誠一歌碑
東京都八王子市高尾町2177(高尾山薬王院境内)
若いアベックに「邪魔しないでよ!」と睨まれて、ペッパー警部もビックリしたことだろう。昔はこんなことはなかったと、深い感慨にふけったに違いない。
高尾山薬王院の境内の片隅に建つ作詞家井田誠一の歌碑には、夕闇迫る公園で恋人たちの心配をしたり、家出少女に世話を焼く「若いお巡りさん」(昭和31年(1956))の歌詞が彫られている。ピンクレディーが「ペッパー警部」でデビューするのが昭和51年。20年経って警部に昇進した“若いお巡りさん”は、彼女たちの派手な踊りや衣装にも度肝を抜かれたに違いない。
「若いお巡りさん」の歌詞には「そろそろ広場の灯も消える」とあるけれど、時を経て夜は格段に明るくなったし、生活時間帯もかなり後ろにシフトした。夜分に若者が出歩くことに目くじらを立てることも少なくなった。今なら、たとえばナイトチケットを買って夜6時からディズニーランドでデートすることもできるのだ。
「若いお巡りさん」「ペッパー警部」に続く“お巡りさんと若者たちの歌”が今できるとしたら、どんな内容になるだろうか。
※ 「ペッパー警部」の作詞者は阿久悠。「若いお巡りさん」との直接の関係はありません。念のため。
※ 「アベック」と言ったら若い人に怪訝な顔をされました。今は「カップル」と言うのですね。