くらかけの滝
東京都西多摩郡檜原村南郷5990(檜原村教育の森・フジの森)の先
南秋川の出畑集落に入り、「フジの森」の道標に導かれて矢沢林道にはいる。軽やかな渓流の音を聞きながら走っていくと、フジの森を過ぎた先で突然左右から尾根の端が飛び出してきた。沢は急S字カーブを描いて尾根を避け、林道は切り通しで強引に尾根を突き抜ける。
切り通しの出口から谷を覗くと、狭い廊下に小さな滝が幾つも連なっているのが見えた。この廊下の出口に落ちているのが「くらかけの滝」だ。
切り通しの入口に戻り、踏み跡を頼りに沢へ降りる。尾根の端は絶壁になっていて河原はない。滝はその岩の影に隠れているので、水に入らずにその姿を見ることは不可能だ。浅瀬を探して対岸に渡り、岩壁をへつって(水平移動して)滝の正面に出た。
広かった流れが両岸から迫る岩に絞られ、貯め込んだエネルギーを一気に解放して落ちてくる。その轟々という音が岩壁に反射して凄い迫力だ。膝まで水につかって気分がハイになったせいか、水が冷たくて気持ちが良いとか、マイナスイオンに癒されるとかいう優しい気持ちはどこかに吹き飛んで、滝の音に負けない大声で叫びたくなる。
元気が出る滝。元気をもらえる滝。2011年という特別な年にはぴったりかもしれない。