谷保天満宮発祥之地
東京都府中市日新町2-36(日新稲荷神社)
秋になると、府中の南から国立の谷保にかけての田園地帯を走りたくなる。彼岸花は終わってしまったけれど、稲刈りが始まり、稲架(はさ)掛けされた稲束が並ぶ田園風景を彩るコスモスの花が美しい。
ぶらぶらしていたら、府中市と国立市の境近くに、黒々とした大きな石碑の建つ稲荷神社を見つけた。石碑がなければ見過ごしてしまいそうな小さな社だが、碑文に寄れば、ここが谷保天神の創建の地だという。
その昔、多摩川はたびたび氾濫してこのあたりを海のようにしたことだろう。この場所は「天神島」と呼ばれていたと言うから、水害の際にはぽっかりと水面から頭を覗かせていたのかもしれない。その災害を避けて遷座したことは想像に難くないが、現在の谷保天神もハケの下に建っており、それほど安全とも思われないけれど良かったのだろうか。