谷保天満宮
東京都国立市谷保5209
湯島、亀戸と並ぶ関東三大天神として有名な谷保(やぼ)天満宮は、境内が府中崖線(ハケ)にまたがっていて崖線の上を甲州街道が通っているため、街道に面した鳥居から参道を下って本殿があるという珍しい造りをしている。昔はハケ下を甲州街道が通っていたが、家康の時代に街道が整備されて今の位置になったために通常と逆転してしまったらしい。
由緒によれば、菅原道真公の三男がまつった天神さまを養和元年(1181)にこの地に移したという。この三男の刻んだ道真像があまりにへたくそだったので、さえない人のことを谷保天満宮にかけて「やぼてん」と言うようになったというのだが、ほかにもこんな話がある。
ある飢饉の年の10月に、賽銭を集めるためにこのご神体を目白まで運んで公開したことがあるという。10月は神無月なので谷保を離れても良いということだったのだが、これを見た狂歌師の大田蜀山人(南畝)が、「神ならば 出雲の国に行くべきに 目白で開帳 やぼのてんじん」(神無月には出雲へ行くべきなのに、目白で開帳とは野暮なことだ)と歌ったことが、「やぼてん」の語源になったというものだ。
どちらにしても、散々な言われようだ。
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